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先日は描き上げて力尽きました(笑)
まぁ、翌日出勤日だったということでご勘弁を!




ええと、こちらのブログで頂いておりましたリクエスト分でございます。
「HEART(オリキャラです ^ ^*)でハロウィン+ジャック」という、これまた物凄くツボに入るリクでした。
そして、何といっても、オリキャラに指名が来たっ……!
うわわ、何と言うことでしょう!!
夢ではないかしらと何度も見返してしまったくらいに驚き、次いで浮かれました(大笑
頭の中でくるくる回るイメージを拾い出し拾い出し、またジャックの案内人という役割がピンポイントでツボに刺さったものでして、どこを案内してもらおうかしらと、妄想ばかり先行して膨らんだりですね!
色彩もちょっといつものドギツイのはやめて、印象派のような中間色をメインにもってこようとか。
HEARTの衣装をどうアレンジするものかとか。
2・3日はそれに費やされた気が致します(笑
実際に描き始めると、いつもと違う色を重ねるのが楽しくなっちゃってですね。
結構いい感じにまとまってくれたのではないかと思います。
今回のキーとなった色は、うすい小豆色(5f444b)とちょっと青み掛かった深い緑(0d3630)かな。
ランダムパレットで拾った色ですが使いやすかったです。
そして、意外と顔が綺麗に描けたのが嬉しかったです。きゅっと画面が締まりましたもの。
そしてそして、ハートが創作作品で過去最高獲得数になりました!
うわあぁ、滅茶苦茶嬉しいです……!! 覗いて下さった方も、皆様ありがとうございます!
そして、何よりも素敵なリクエストをどうもありがとうございました!


◆ちょこっと紹介 HEART
 創作世界「自由」の住人です。神様の側近を勤めていたり??
 トランプをモチーフにしたキャラの一人です。
 付き合いは中学生の頃からですから、結構長いですね。
 人形のイメージが強く、基本無表情で描いています。
 きっと人間らしさを獲得していく辺りに、彼女の物語があるのでしょう。
 と、その辺を絡めて、今回のリクエストからの妄想小話を記事の続きに晒して、みます。
 ええと、先に言い訳しますと、作文は苦手です(笑
 誤字脱字、日本語変だよ等こっそり笑ってやって下さい。あ、教えて下さると助かります;


*16・17日と拍手頂いておりました!!ありがとうございます!

そこは不安定な場所だった。何せいきなり道が消えたり、現れたりする。
目に映る景色すら、例えば真冬の白い森の中だったり、或いは真夏の涼を呼ぶせせらぎだったりした。
そこに時たま、それらの風景が溶け合ったような、よく分からない色の吹き溜まりが混じっている。
様々な色彩が、蝋燭のようにちらちらと表情を変えて瞬いていた。

「この道は何処へ続いているのかしら?」

ふと、静かな声が問いを発した。
まだ年若い女性のそれは、物音一つしなかった空間に凛と響く。
声の主は、自分の先を行く人影をひたと見つめていた。
くぐもった声が彼女の問いに応じる。大きな南瓜の形をした頭がそれに合わせて振り向いた。

「――何処へ?
    何処へなりとも、貴女の望むままに」

「私、の、望む……?」

「――そう」

南瓜が簡潔に言葉を返す。
しかし、返された応えは曖昧なもので、それによって、彼女がこのまま道を歩いて行けば元居た世界に辿り着けるのかどうかの判断はつかなかった。
望めば辿り着けるという。では、特に望まない場合はどうなるのだろう。
別に、元の世界に戻りたくないというわけではないが、さりとて戻る必要性も感じられない。
あの世界は、例え自分が居なくなっても何一つ変わらず時を重ねていくだろうから。
そう考えて彼女はわずかに重くなった口を開く。

「でも、私に望みなんてないわ。
 ……きっと、私は何処へも行けはしないのね」

彼女の声は一段と静けさを増し、ふわりと二人を取り囲む色の波に呑まれていった。

「――ねぇ、HEART、そう悲観するものじゃないよ。
    貴女は独りではないだろう?
    ほら、目を閉じ耳を澄ませてごらん」

何かを断ち切るような明るさを持って南瓜が彼女を促す。
途端、彼女は怪訝そうな顔つきになったが、笑顔が張り付いたままの南瓜の無言の押しに負けて、ゆっくりと瞼を閉じることになった。眼前に溢れる光が視界の隅に追いやられていく。
次第に極彩色の光景が遠ざかり、暗闇がやって来るとと共に今まで気付かなかった響きが耳を震わした。
初めは、微かな音の存在。
やがて耳が慣れてくるに連れ、それが幾人かの声であり、何かの単語を繰り返しているのだと理解することができた。
もう少し注意深く意識を集中してみる。

「……? 何、か……、私の、名前……?
 皆、が呼んでいるの?」

その声たちが繰り返していたのは、紛れもなく彼女の名前だった。
彼女の左右で色の異なる瞳が、驚愕の感情を移して揺れ動く。
それを認めた南瓜が頷きを返し更に言葉を紡いだ。

「――声が聞こえたかね。じゃあ、もう見えるだろう」

南瓜の骨ばった指が彼女の後方を差した。その指をゆっくりと目で追う。

「それは、あの灯りのこと?」

いつの間にか行く手にうっすらと灯りが点っていた。それに伴い、ちぐはぐに分断されていた景色が一つの道筋を示すように集まり始めている。

「――そうだ。あすこで今宵は宴が開かれる。
    貴女のお仲間も皆其方へ。
    後は、貴女が訪れるのを待つばかり」

「……」

「――さて、少々喋り過ぎてしまったが。
    ……貴女はどうしたい?」

間に咳払いを挟みつつ、南瓜が彼女の顔を覗き込んでくる。
相変わらずその顔は笑みを湛えていたが、瞳を象る光は真摯な色を持っていた。
胸が痛い、と彼女は思った。
先ほどから絶え間なく聞こえてくる自分の名前。思い返せば、いつも側に居た人たちの声が自分を呼んでいる。
――HEART、自分の名前はこれだけ温かなものだっただろうか。
息を吸い込んで、呼吸を整える。

「私は……
 私も、あそこへ、行きたい。皆の元へ、帰りたい」

思いが溢れる。それに戸惑うように喉は震えたが、しかしはっきりと彼女は南瓜に目を合わせ、自分の望みを告げた。
その声に応じて揺らいでいた道が完全に姿を現す。
そっと、南瓜の手が彼女の頭を撫でた。笑った瞳が更に優しげに細められる。

「――いい子だ。それでいい。
    それでは、送り届けるとしよう」

「あ、……ひか、り、が……」

遠くに見えていた灯りが道を伝い、光量を増しながら二人を呑み込んでいく。
あまりの眩しさに彼女は瞳を閉じた。
それまでいた世界の気配が遠ざかる中、かすれゆく南瓜の声が頭に木霊した。

「――HEART、貴女はもっと他人に甘えることを覚えるといい。
    ここでの時間を現実に持ち帰ることはできないが、
    貴女自信が望んだその答えは必ずや良い影響を齎すだろう。
    さぁ、お行きなさい」

「……ありがとう」

「――いや、礼には及ばないさ。これが私の仕事だからね。
    良い旅路を」

「ええ。さようなら、お元気で」

急激に意識が浮上していくのを彼女は感じた。覚醒が近い。
一枚一枚膜を脱ぐようにして近づく現実を前に、彼女は少しずつこの出来事を忘れていった。
ただ、胸に宿った小さな灯火はその温かさを失うことはなく、彼女を見守り続けていた。


END


+++
意外と長くなっちゃった;
相当、ジャックの案内人が気に入ったようです。しかし、南瓜(笑
もっと格好いい名前なかったんでしょうかね。
実は、彼が更に目を細めて笑うというシーンが書きたかっただけとかは秘密で(大笑

2009.11.04 少し修正しました。

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